こんな母親はもういない

知人Aさんのお子さんは40歳です。

先日、その子が中学受験に臨もうとしていた時期のことを話してくれました。

30年近くも前ですが、地域柄もあり、既に中学受験も一般化しつつありました。

Aさんにとっては第一子の受験ですから、受験事情はまったく分かりませんでした。

(新)5年生になった時に「友達が通っている(大手)塾に自分も行きたい」と言ったので、勉強するのはよいことだからという理由で、承諾したのです。

週3回通っていました。

受験事情を知らないAさんは、勉強は週に3回通っている塾で完結するものだと思い込んでいました。

塾に通っていれば、自然に出来るようになるのだと信じていたのです。

塾で授業を聞くことのほうが大事だから、家でおこなう宿題をちゃちゃっと終わらせていても、気に留めませんでした。

当時Aさんは、学力が少しも好転しないのは、先生の教え方が我が子には合っていないのかなぁと漠然と考えましたが、自分の子の能力には想いが至りませんでした。

もちろん、我が子の成績が上位とは思っていないものの、塾という場所は、どんな成績でも、その子なりに伸ばしてくれるところだと信じ込んでいたからです。

決して、下位10%が上位20%になることを望んでいるわけではありません。

でも時の経過とともに、下位15%→下位20%→下位25%・・・・のように、少しずつでもジリジリ上がってゆく(上げてもらえる)ところが、「塾」というところだと、そのためにお金を払っているのだと、そう思っていました。

しかしなかなか成績は上がらず、順位は最後まで下位1割程度に固定されています。

夏期宿泊講習も正月特訓も、子どもの希望のまま全部受けさせました。

そして、受験校選びは偏差値と照らし合わせることなく、本人の好む希望(全て偏差値にして15くらい上)に従って、なるべくたくさん受けることにしました。

偏差値的には開きがあるが、たくさん受ければどこかには入れるだろう、と楽観的に捉えていました。

その結果、全落ちし、公立中学に進むことになります。

今、こういう保護者は激減しました。

塾でまかなえる部分が半分以下だと、保護者は知っています。

学習を定着させるのも伸ばすのも、結局自宅でどれだけやるかにかかっているのだと、みんな知っています。

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by youkosodesu | 2018-10-13 16:14
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