スイミー

昨日いらしたお母様のご相談は「感想文がかけない小4の息子」についてです。

算数は塾でもトップレベル、しかし国語となると点数もいまひとつだし、感想文すらまともに書くことが出来ない。いくらヒントで誘導しても書くのは「あらすじ」ばかり。
これでは先行きが不安だ。


というわけで、今日のテーマは「感想文の書き方」です。
ここでは国語の教科書にも載っている「スイミー」(レオ=レオニ作,谷川俊太郎訳)を題材に解説します。
一例なので、もちろんこれ以外のいろいろな取り上げ方もOKです。
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まず作文用紙を1:2:2:1に分けそれぞれに起承転結と書きます。
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:どんな点に感動したか、一番気になったところはどこか、などを挙げます。
:何故そこに気持ちが動いたのかを述べます。
:気持ちが揺さぶられた結果、自分がどう変ったのかに触れます。
:この本を読む前と後で、自分のものの見方が変った点を挙げます。

低学年~中学年版 例↓
:海の中に魚がたくさんいて、そこがおもしろかったです。
:夏休みにおばあちゃんの家に行って海で泳ぎ、たくさんの魚をはじめてみました。
毎日スイミーみたいな魚がいるかと思って探しました。
:田舎に帰ると、楽しいことがいっぱいです。
おばあちゃんとはたまにしか会えないけど、いつもやさしくて大好きです。
:来年もまたきっと来るので待っていてください。

これは感想文ではなく、作文になってしまいました。

低学年~中学年版 感想文例↓
:この本を読んでいると、海の中に魚がたくさんいる様子が浮かんできて、とてもわくわくした気分になる。
:去年の夏休みにボクは船に乗って、実際に透き通った水の下のほうに魚が泳ぐのを見た。
お父さんに「魚は何を食べるの?」と聞くと、「小さいのはプランクトン、大きいのは小さい魚が餌だよ」と教えてくれたので、ボクが見た小さい魚も、いつか大きい魚のえさになってしまうのかなと、かわいそうで悲しい気持ちになった。
:だけどこの本を読んで、小さい魚もみんなで力を合わせれば、大きいのと戦って勝つことだって出来るのが最後に分かったから、ちょっと安心した。
:小さい力では負けてしまうようなことでも、みんなで協力すれば出来ることがあるのが分かってよかった。

作者のテーマから逸れないようにすることが大切ですが、低学年は「テーマ」そのものが判らない子もたくさんいますので、お母様がそれとなく、「この本を読んで、一番感心したり、悲しかったところはどこ?」、「最近自分の生活の中で、同じような気持ちになったことあった?」と誘導してみてください。
by youkosodesu | 2008-05-10 13:07
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