今更ですが、謝罪します

ご飯作りを苦にしない娘に、「作った中から、自分の家族分を持って行って良い」という条件付で、しばしば作るのを頼むことがある。

すぐ近くで夕食準備をしているので、よく聞こえるのでしょう。
「かわい~♪」とか、「あの子はすごく受け応えがしっかりしているね。」などの、ほんの短い他愛もないコメントを後でもらうことがある。

ある日
「今帰ったあの子、すごく勉強が嫌なのかな・・・」と言った。
なんで?
「だって、お母さんに対して、もすごくぶっきらぼうだし、ここに来るのが嫌なのかなって。」
ち、ちがうっ!
あの子は愛想がないだけなのよ。
勉強もぜんぜん嫌がっていないし、私のことも好きだし(本当??)
それなのに、そんな風な印象を受けちゃうんだ・・・
あれね、フツーなの。
あれがあの子の、飾らないリラックスしている状態なの。
それどころか、すごく空気は読めるわよ。

言いながら、昨年の夏のことが思い出された。

その日、気分は、人生で五番目くらいに落ち込んでいた。
オジイ君が三日前に逝ってしまったからだ。

でも自分に言い聞かせ、務めて平常心で授業を進めた。

「こーで、こーで、だからこうなるのよ。」

そう言い終わり顔を上げた瞬間、窓ガラスの向こう側に、ト ト トと歩くオジイ君が。

あぁ風に揺れた布だったのか…、

ここからいつも、オジイ君の様子を見ながら授業をしていたな、と思った時には既に遅し。

勝手にどーっと涙が流れてきた。

それを無視するように、普通の様子をつくろってさらに授業を進めた。

「こーで、こーで、だからこうなるのよ。」

涙を流しながら、普通の顔で授業をしている大人を見て、ビックリしたのは生徒のほうだ。

目を真ん丸くして、固まってしまった。

そしてひと言静かに
「お悔やみ申します・・・」

ひぇーー、今度は私が目を丸くする番だった。

「ご愁傷様です」はよく聞く言葉だが、「お悔やみ申します」はほとんど聞いたことがない。
けれども、めったに聞くことがない改まった言葉が、思いがけないほど胸に沁みた。
「ど、どうも」と言うのが精一杯で、今度は本格的に涙が止まらない。

普段とは違って、終始物静かな調子で授業が終了したので、気を使ってくれたのね。

ずっと謝ろうと思っていましたが、機会がなくて言えなかったので、今言います。

その節は仕事にもかかわらず、泣きながら授業を行って、本当にすみませんでした。
by youkosodesu | 2012-03-09 21:20 | ●犬
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