私が習っていたピアノの先生のお宅は、都心部にありながら閑静な住宅街にあり、外観が大正時代のレトロな洋館のようで、その辺りでも目をひくお屋敷でした。その後建て替えをなさいましたが、古いその家に行くのは、すごく楽しみでした。
先生は、レッスン室横の待合コーナーに、少女向けの月刊誌を、発売日ごとに何冊も書店に注文し、子どもたちは常に一番新しい本を手にすることが出来るのです。 そして月に一度、レッスンが終わった順に、お茶とお菓子を出してくださいます。その器もとてもすてきなもので、お菓子も私が食べたことのない珍しいものでした。 圧巻は先生のファッションです。ほぼ2年おきに発表会を催しますが、そのときのフルレングスの舞台衣装のようなドレスを、普段のレッスン時に着用なさって出迎えてくださいます。 あるとき、娘と散歩していると、ピアノ教室の看板が・・・・・。ステキな家だなぁ、こんな家でピアノを習いたい、と思ってすぐに門をたたきました。だからわたしの習い始めは大人になってからです。 5年後ソナタにすすんで少し経った頃、練習量だけでは、乗り越えられない行き詰まりを感じて、とうとう辞めてしまいました。 先生がとても好きでした。 先生に褒められたくて、なかなか昼寝してくれない(下の)娘をおんぶしたままで、何時間も練習していたあの5年間が夢のようです。 生徒一人ひとりを、仕事を超えてとても大切にしている先生の姿が、今でも記憶に染み付いています。 今、私が生徒さんを迎えるスタイルは、全部このピアノ教室が原風景になっています。
by youkosodesu
| 2006-03-13 00:06
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